numの野球・サッカーのルール解説

野球やサッカーの観戦をしていて、ルールが分からず「今のはなんでこういう判定なの?」と疑問に思うようなプレーに、競技規則から判定の理由についてアプローチします。

【野球】押し出しサヨナラのときのみ適用の例外的ルール!進塁義務があるのは実は……

同点で迎えた最終回裏二死満塁。打者とバッテリーの攻防は、時に劇的な幕切れとなることがあります。 このような場面で四死球が起こると、押し出しとともにサヨナラゲームになります。 公認野球規則には、押し出しサヨナラのときに限って適用されるルールが…

追い越しアウトで「併殺打ではないダブルプレイ」?―オリックスvs楽天

2024年8月15日のオリックスvs楽天、6回裏の「併殺打ではないダブルプレイ」はあまりに珍しい事象で話題になりました。 すでに元NPB審判員の坂井遼太郎さんがX(旧Twitter)上で詳細な解説をしてくださっていますので、今回は記録として、「私の備忘録」的にま…

故意落球とは?ダブルプレイにならないの?―石橋vs聖和学園

2024年8月13日、高校野球2回戦 石橋vs聖和学園で故意落球とする事象が起こりました。 珍しい事象なので、とっさに何が起こったのか分からなかった人や、このプレイで故意落球というルールを初めて知った人、「頭脳プレイ」と評価する人や逆に「ずるいプレイ…

送球に対する守備妨害―木更津総合vs市立船橋

2024年7月27日の高校野球千葉大会決勝、木更津総合高校 対 市立船橋高校の試合は、延長10回タイブレークで、守備妨害を巡って試合が一時中断することとなりました。 また、サヨナラの場面でも送球と打者走者と野手が接触する事象が起こりました。 今回は、具…

アピールプレイがサヨナラ負けを救った!―日本航空vs帝京三

2024年7月19日の高校野球山梨大会準々決勝、日本航空高校対帝京第三高校戦、野球の教科書というものがあるなら、この一連の流れは教材にできますね。 www.nikkansports.com 今回解説するテーマは、大きくまとめると サヨナラヒットとアピールプレイ フォース…

野球とサッカーのビデオ判定を単純比較してはいけない

今回は、以下の記事「なぜサッカーの試合で『幻のゴール』が相次いでいるのか…『ビデオ判定』を導入したらジャッジの98%が覆った本当の理由」を読んで感じたことです。 president.jp 「映像があれば正しくジャッジできる」は幻想である という、今泉氏の主張に…

このプレイ、正しいルール適用はアピールアウトではなかった…!

2024年7月9日の西武対日本ハム戦で、一塁空過を指摘したアピールプレイで、二塁打が取り消されてアウトになる事象がありました。 それ自体が珍しいプレイと言えるのですが、松田 貴士(まつだ たかひと)さんのX(旧Twitter)での投稿による指摘で、私もとんでも…

知っていないと損をする!野球で重要なタイムプレイとは?

今回は、野球で監督や指導者はもちろん、選手もきちんと知っておかないと損をする、タイムプレイについて解説します。 得点に関わってくる重要なルールなので、ちゃんと知っていればチームに入るべき得点を失わずにすんだり、逆に相手の得点を阻止できたりし…

ボーク→牽制悪送球!一塁走者は三塁まで進んでいいの?

2024年6月23日の巨人対ヤクルトの試合で、ボークの判定にも関わらず、一塁走者が三塁まで進むというプレイがありました。 ボークなのに一塁走者が三塁へ?そんなことってあるんでしょうか。 ルールに基づいてこのプレイを説明します。

サッカー競技規則2024/25改正、PKのルールはこう変わった!

日本サッカー協会は、2024年5月23日、サッカー競技規則2024/25の改正について通達しました。 サッカー競技規則2024/25でのPKルールの変更点は次の2点です。 PK時のボールの置く位置 キッカーがボールを蹴る前に他の選手がペナルティーエリアに侵入した場合の…

サッカー競技規則2024/25改正、脳震盪の疑いによる交代ルールはこうなった!

日本サッカー協会は、2024年5月23日、サッカー競技規則2024/25の改正について通達し、これまでトライアルだった脳震盪による交代について、正式に競技規則に記載し、オプションとして認められることとなりました。改正で発表されたルールは、これまでトライ…

DOGSOはペナルティーエリア内ではSPAになる?――サッカーのルールのよくある誤解

ジャッジリプレイ効果もあって、DOGSOという用語はサッカーファンにも浸透してきたようですが、「DOGSOはペナルティーエリア内ではSPAになる」という認識の方がいらっしゃるようです。 それ、実は誤解です。

【サッカー】DOGSO(ドグソ)とは?/SPA(スパ)とは?

2024年6月、DOGSOについての解説をアップデートし、サッカー競技規則2024/25の改正に対応しました。 DOGSO(ドグソ)とは何か SPA(スパ)とは何か なぜDOGSOは一発退場になるのか DOGSOやSPAがペナルティーエリア内で「一段階下がる」とはどういうときか につい…

判定を覆すことはできるのか?水戸vs長崎

2024年6月2日の J2リーグ第18節 水戸ホーリーホック vs V・ファーレン長崎戦で、試合終了間際、当初ファウルなし、スローインで再開としていた判定が、ファウルでPKに変更となる事象が起こりました。 VARのないJ2において、主審が一度下した判定が変更になっ…

山崎康晃投手の偽投はなぜボーク?横外しはダメなのか?

2024年5月31日の山﨑康晃投手の牽制がボークと判定されたことについて、「プレートを外しているのにどうしてボーク?」という意見が多く見られます。 この事例では、「投手板(プレート)から軸足を外す」とはどういうことか、がポイントになります。 すでに…

インフィールドフライと守備妨害が同時に起こる?

2024年5月23日、ホワイトソックス対オリオールズ戦の9回裏、ホワイトソックスが6点差から4点を追い上げ、8-6となって一死一・二塁。 内野フライが上がってインフィールドフライが宣告。しかし、飛球が捕球されたところでなぜか試合終了。何とこのプレイで守…

手に持ったヘルメットでベースに触れたら、セーフ?アウト?

メジャーリーグで珍しいプレイが起こりました。走者がヘルメットを手に持って、そのヘルメットで塁に触れています。このとき触球されたら、セーフ?アウト? こういう触塁って、果たして認められるのでしょうか。公認野球規則に基づいて私の見解をまとめまし…

「ホームベースを踏んで打撃をするとアウト」は間違い?野球の「反則打球」の正しいルール

2024年4月26日のDeNA対巨人戦での関根選手の死球(デッドボール)の判定を巡って、様々な意見が挙がっているようです。 バッターボックスを出て打撃をしているのでは? ホームベースを踏んで打撃しているとアウトと聞いたことがある バッターボックスを出て投…

VARにまつわるよくある誤解

SNSを見ていると、(自分にとって)納得できる判定を主審が下さなかったことや、VARが介入したことで(自分にとって)納得のいかない裁定となったことから、様々な反応を目にするのですが、中にはそもそもVARについて誤解や勘違いをしているのではないかと感…

観客がフライを捕ってしまった!―観衆の妨害

2024年4月13日、東京ドームで行われた巨人対広島戦で、観客がフェンス際でファウルフライを捕ることが起こりました。 SNS上では、当該観客の行為や、この行為が守備妨害としないとした審判団の判断に対して批判があります。 適用される規則とともに当該プレ…

打者走者による守備妨害 どんなときに起こるのか?

公認野球規則を読んでみると、守備妨害に関する規則は攻撃側プレーヤーはもちろん、それ以外のことも想定されていて、内容は多岐にわたります。 ここでは、打者走者による守備妨害に特化してまとめます。

2024J1第7節 春のGK〝DOGSO祭り〟それぞれを解説。

2024年4月7日のJ1リーグ第7節は、ゴールキーパーによるDOGSOが3事象起こる〝祭り〟状態になりました。 川崎F vs 町田 70:22 谷選手 神戸 vs 横浜FM 74:09 前川選手 広島 vs 湘南 47:08 ソン選手 今回は、それぞれの事象について解説していきます。

【サッカー】警告(イエローカード)や退場(レッドカード)になるのはどんなとき?

サッカーでは、ファウルや不正な行為が行われたとき、主審により警告(イエローカード)や退場(レッドカード)が提示されます。 主審はどういう基準でカードを提示するのでしょう。競技規則の記述をもとにまとめました。

打者の守備妨害ってどんなもの?場合によっては走者がアウトに!

守備妨害のルールは多岐にわたります。ここでは、打者による守備妨害についてまとめます。 打者による守備妨害は、次の4つが挙げられます。 捕手のプレイを妨害した場合【規則6.03(a)(3)】 打者がバットを投げて捕手に当たった場合【規則6.03(a)(4)】 アウト…

【サッカー】脳震盪の疑いによる交代のルール:正しくルールを理解しよう

2024年4月20日、「Jリーグが脳震盪による交代の競技規則改正へ」というニュースを目にしました。 www.sponichi.co.jp どうやらサッカー競技規則2024/25の中に正式に脳震盪の疑いによる交代が盛り込まれ、このルールが永続的に認められるようになるようです。…

なぜ交代ができなかったのか?名古屋対横浜FM

2024年3月30日、J1リーグ 名古屋対横浜FM戦で、横浜FMが選手交代の準備をしていたタイミングで渡辺選手が足を痛め、交代せざるを得なくなりました。この間、名古屋側は2人の選手交代が認められたのに対し、横浜側は選手交代が認められず、負傷で渡辺選手がピ…

どうして守備妨害?中村と中田翔の一塁走路上での接触、判定を解説

2024年3月29日、ヤクルト対中日戦で6回裏、守備妨害が発生しました。 一塁手と一塁走者の接触によるものですが、X(旧Twitter)上では、「これは守備妨害なのか?」「どうして走者が戻されたのか?」「守備妨害がなかったら併殺が取れたのではないか?」といっ…

走路を外れてラインアウト?スリーフィートオーバーとは

野球で、走者の走路とはどこを指すのでしょう。では、その走路を外れて走者が走ったら?あれ?でも実際その「走路」を厳格に走っていますか?分かっているようで意外とあやふやな「走路を外れたとき」のルールについて確認しましょう。 ※ 2024年3月20日、追…

ブロッキングベース:NPBとMLBでは違うルール!適用内容の違いを解説

2024年3月11日、アメリカメジャーリーグ(MLB)でも「ブロッキングベース」のルールが導入されることを日本野球機構(NPB)の森健次郎審判長が明かしました。 日本プロ野球(NPB)では、2023年9月5日から「ブロッキングベース」の判定基準が導入され、判定基…

ゴール取り消しでPK!なぜこの判定になったのか

2024年3月1日、J1リーグ第2節 川崎フロンターレ対ジュビロ磐田の試合は、4-5という激しいスコアでジュビロ磐田が勝利しました。 この試合の決勝点となった後半AT。磐田のジャーメイン選手が勝ち越しゴールを決めたかに見えました。しかし、この直後VARが介入…