numの野球・サッカーのルール解説

野球やサッカーの観戦をしていて、ルールが分からず「今のはなんでこういう判定なの?」と疑問に思うようなプレーに、競技規則から判定の理由についてアプローチします。

打者の守備妨害ってどんなもの?場合によっては走者がアウトに!

守備妨害のルールは多岐にわたります。ここでは、打者による守備妨害についてまとめます。

打者による守備妨害は、次の4つが挙げられます。

  • 捕手のプレイを妨害した場合【規則6.03(a)(3)】
  • 打者がバットを投げて捕手に当たった場合【規則6.03(a)(4)】
  • アウトになったばかりの打者が野手を妨害した場合【規則6.01(a)(5)】
  • 本塁における野手のプレイを妨げた場合【規則6.01(a)(3)】

また、空振り後の勢いで捕手または投球にバットが当たった場合や、捕球されずに本塁周辺にとどまっている投球が、打者または審判員によって不注意にそらされた場合など、不可抗力的に発生してしまった状況も併せてまとめます。

捕手のプレイを妨害した場合

打者がバッタースボックスの外に出るか、あるいはなんらかの動作によって、本塁での捕手のプレイおよび捕手の守備または送球を妨害した場合です。

下の動画のように、一塁走者が盗塁を試みたときに、打者が本塁の前に出て捕手の二塁送球の妨げになる場合が代表例です。

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ペナルティ

原則として打者がアウトとなってボールデッドになり、全ての走者は妨害発生時の占有塁に戻されます。

ただし、捕手が妨害を受けながらもプレイを続け、結果として守備の対象になっている走者をアウトにできた場合は、妨害がなかったものと考えて、そのままプレイが生かされます。この際、アウトになった走者の他にも走者がいれば、ボールデッドにならないので、進塁することも可能です。

空振り後の勢いで捕手または投球にバットが当たった場合

審判員が故意ではないと判断した場合は、打者の妨害とはしませんが、ボールデッドとして、走者は進塁できません。

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打者に対してはストライクが宣告され、これが第3ストライクにあたるときは、打者はアウトになります。(規則6.03(a)(3)【原注】)

捕球されずに本塁周辺にとどまっている投球が、打者または審判員によって不注意にそらされた場合

下の動画のように、捕球されなかった投球に打者がスイングした後のバットを不注意に当ててしまい、投球がそらされてしまったような場合です。

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ボールデッドとなって、塁上の走者は投手の投球当時占有していた塁に戻ります。また、この投球が第3ストライクのときは、打者はアウトになります。(規則6.01(a)(1)】

打者がバットを投げて捕手に当たった場合

走者がいるとき、または投球が第3ストライクのとき、打者がフェア地域またはファウル地域にバットを投げて、投球を受けようとしていた捕手(またはミット)に当たった場合に適用されます。

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ペナルティ

原則として打者がアウトとなってボールデッドになり、全ての走者は妨害発生時の占有塁に戻されます。

アウトになったばかりの打者が野手を妨害した場合

アウトになったばかりの打者が、味方の走者に対する野手の次の行動を阻止するか、あるいは妨げた場合に適用されます。

ペナルティ

守備の対象である走者がアウトとなってボールデッドになり、塁上に他に走者がいれば妨害発生時の占有塁まで戻されます。

打者はすでにアウトになっているので、追加で打者をアウトにできません。そのため、味方のプレーヤーが相手の守備を妨害(インターフェア)したものとして、走者をアウトにします。

例えば、2ストライクから二塁盗塁が起こったときに打者が空振りをして本塁の前に出て捕手の送球の妨げになった場合、打者は三振でアウト、アウトになった打者の守備妨害により、守備の対象である一塁走者もアウトになります。

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本塁における野手のプレイを妨害した場合

0アウトまたは1アウトで走者三塁のときに、打者が本塁における野手のプレイを妨げた場合に限って適用されます。

ペナルティ

守備の対象である走者がアウトとなってボールデッドになり、塁上に他に走者がいれば妨害発生時の占有塁まで戻されます。ただし、2アウトからこの守備妨害が起こった場合は、打者がアウトになります。

例えば、1アウト三塁でワイルドピッチ(暴投)があり、転がった投球を捕手が拾って本塁カバーに来た投手へ送球するとき、打者がその送球を妨げたり、カバーに入る投手を妨げたりすると、妨害した打者ではなく、本塁に突入してきた三塁走者をアウトにします。

スクイズを外された後、打者が本塁でのプレイの妨げになった場合も同様です。

▼守備妨害のまとめはこちらから

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