2024年5月23日、ホワイトソックス対オリオールズ戦の9回裏、ホワイトソックスが6点差から4点を追い上げ、8-6となって一死一・二塁。
内野フライが上がってインフィールドフライが宣告。しかし、飛球が捕球されたところでなぜか試合終了。何とこのプレイで守備妨害が宣告されていました。
そんなことが……ルール的にはありえます。
今回はこのことを解説しました。
- まずはプレイを見てみましょう
- どこが守備妨害?いつ宣告した?
- インフィールドフライなのに守備妨害を適用することがあるのか?
- インフィールドフライと守備妨害が同時に宣告されたときのルール
- そもそもインフィールドフライって何だかよくわからないんだけど?
まずはプレイを見てみましょう
9回裏、一死一・二塁。打球が二塁付近に打ちあがります。
どこが守備妨害?いつ宣告した?
インフィールドフライが打ちあがったので、二塁走者のアンドルー・ボーンはゆっくり二塁に戻ろうとしましたが、このときにフライを捕りに行こうとした遊撃手のガナー・ヘンダーソンの進路の妨げになりました。
映像をよく見ると、このとき守備妨害を宣告したのは三塁塁審です。
遊撃手が二塁走者をよけた直後、二塁走者を指差しているのが分かります。
インフィールドフライなのに守備妨害を適用することがあるのか?
実はあります。
インフィールドフライについて定めた公認野球規則の定義40の【原注】3段落目に、このような記述があります。
インフィールドフライが宣告されたときに妨害が発生した場合、打球がフェアかファウルかが確定するまでボールインプレイの状態は続く。打球がフェアになれば、野手の守備を妨害した走者と、打者がアウトとなる。打球がファウルになれば、野手の守備を妨害した走者だけがアウトとなり、その打球が捕球されたとしても、打者は打ち直しとなる。
確かにインフィールドフライが宣告されれば打者アウトは確実ですが、インフィールドフライはボールインプレイなので、走者はアウトを覚悟で走塁しても構いません。また、走者が離塁していれば、インフィールドフライ捕球後に投球当時の占有塁に触球されるとアウトになります。
そのため、インフィールドフライからの併殺も現実的に起こりえるのです。
インフィールドフライと守備妨害が同時に宣告されたときのルール
本来、守備妨害が宣告されるとボールデッドになります。しかし、インフィールドフライは打球がフェアと確定しないと規則が適用できません。そのため、「打球がフェアかファウルか確定するまでボールインプレイの状態は続く」という例外措置がとられます。
- 走者が守備妨害した場合は、インフィールドフライで打者アウト、守備妨害で妨害した走者がアウトになります。
- 打者走者が守備妨害した場合は、インフィールドフライで打者アウト、すでにアウトになったプレーヤーによる守備妨害で、本塁にもっとも近い走者(例えば満塁なら三塁走者)がアウトになります。
- 打球がファウルボールになった場合は、インフィールドフライは取り消されて打者は打ち直しになりますが、守備妨害は残り、妨害した攻撃側プレーヤーがアウトになります。
これは、打球がファウルフライとして捕球されても同様です。フライアウトにはならず、守備妨害によるアウトのみが宣告されます。
そもそもインフィールドフライって何だかよくわからないんだけど?
確かに、野球をプレイしている人でも混乱することのあるルールです。
詳しいことは ▼こちらの記事 で説明しています。