ジャッジリプレイ効果もあって、DOGSOという用語はサッカーファンにも浸透してきたようですが、「DOGSOはペナルティーエリア内ではSPAになる」という認識の方がいらっしゃるようです。
それ、実は誤解です。
DOGSOとは?
DOGSOとは、Denying an Obvious Goal-Scoring Opportunity の略で、「決定的な得点機会の阻止」という意味です。 DOGSOの条件を満たすファウルによって決定機を阻止した場合、反則した選手には、原則レッドカードが提示されます。
DOGSOについて詳しいことは▼こちらで。
SPAとは?
SPAとは、Stopping a Promising Attackの略で、「大きなチャンスとなる攻撃の妨害」のこと。DOGSOの4要件を参考に、「DOGSOの要件を全て満たしてはいないものの、大きなチャンスを阻止した」場合に適用されます。SPAであると主審が判断した場合、反則を犯した守備側競技者は、イエローカードが提示されます。
ペナルティーエリア内のDOGSOではイエローカードが出るけど?
SPAが「DOGSOとまでは言えない攻撃の妨害」のことなので、ペナルティーエリア内でDOGSOを犯したら、それはDOGSOで間違いありません。ただし、ペナルティーエリア内で、ボールにプレーしようとした、またはボールに向かうことで相手競技者にチャレンジしたことで反則した場合、あるいは意図的ではないハンドの反則をした場合*1に、DOGSOやSPAと判断されたものについては、懲戒罰が一段階下がることとなっています。
つまり、DOGSOがSPAになるわけではありませんが、DOGSOだとイエローカードが提示されるルールになっています。
実例で確認!
PA内のDOGSOで、イエローカード
下の例では、ゴールキーパーがペナルティーエリア内で攻撃側競技者を倒してしまいました。主審は、この反則はDOGSOで、ボールにプレーしようとした結果なので、攻撃側にPKを与えた上で、ゴールキーパーにイエローカードを提示しました。
PA内のDOGSOで、レッドカード
もちろん、ボールにチャレンジしようとせず、攻撃側競技者を手でつかんだり、押したり、引っ張ったりした場合は、懲戒罰が一段階下がりません。
下の例では、守備側選手が後ろから手で押して攻撃側選手を倒したので、主審はこの反則をDOGSOでボールにチャレンジしていないと判断し、攻撃側にPKを与え、守備側選手にレッドカードを提示しました。三重罰(PK、一発退場、次節出場停止)となります。
*1:サッカー競技規則2024/25の改正から適用です