
交代ボードが出て、交代する選手もピッチの外に出たのに、入るはずの選手を入れてもらえず試合再開……?
しかも、選手を入れてもらえる気配もない……?10人で戦えということ?!
サッカー競技規則2026/27の改正により、そういうことがルール上起こりうることとなりました。これは「交代の10秒ルール」によるペナルティです。
今回は、このルールが発動する条件・具体的なペナルティの内容・負傷の1分間ルールとの関連も含めて、まとめて解説します。
▼この改正を含む2026/27競技規則改正の全体については、こちらの記事で解説しています。
サッカー競技規則2026/27改正まとめ——交代に10秒制限、スローイン・ゴールキックに5秒カウント!W杯・Jリーグから適用
交代の10秒ルールとは
2026/27競技規則改正により、交代手続きに明確な時間制限が設けられました。
ピッチを退く選手は、交代ボードが提示された時点(交代ボードがない場合は主審の合図)から10秒以内にフィールドを出なければなりません。
10秒という時間は短いように思えますが、これはあくまで「ピッチを出るまでの時間」です。ゆっくり歩いて出ようとしたり、わざと時間をかけたりすることへの制限として設けられました。
10秒を超えたらどうなるのか
退く選手が10秒以内にピッチを出なかった場合、以下のようになります。
- 退く選手はそのままピッチを去ります(これは通常通り)
- しかし、交代で入るはずだった選手はすぐにピッチに入れてもらえません
- 入場が許可されるのは、リスタート後1分間(ランニングクロック)が経過した後、最初のアウトオブプレーになるまでです
つまり、退く選手がピッチを出た後も、交代出場する選手はピッチに入れず、プレー再開から1分間が経過するまでピッチ外で待機させられます。その間、チームは一時的に10人でプレーを続けなければなりません。
1分間とはどこからどこまでか
「リスタート後1分間(ランニングクロック)」という表現が分かりにくいと感じる方も多いと思います。具体的に説明します。
ランニングクロックとは
ランニングクロックとは、試合時計が動いている時間だけをカウントする計測方法です。ファウルや負傷などで試合が止まっている間はカウントされません。
例えば、リスタート直後にファウルがあって試合が止まった場合、その止まっている時間は1分間にカウントされません。再び試合が動き始めてからカウントが再開されます。
「最初のアウトオブプレー」まで待つ
1分間(ランニングクロック)が経過しても、選手がすぐに入れるわけではありません。その後、最初のアウトオブプレー(ボールがタッチラインやゴールラインを出た瞬間など)になるまで待つ必要があります。
実際の試合では、ランニングクロックで1分間が経過し、その後ボールがラインを割るまでの間、依然として10人でプレーが続くことになります。
負傷の1分間ルールとの関係
2026/27改正では、交代の10秒ルールとは別に、負傷による離脱にも同じ「1分間(ランニングクロック)」のルールが適用されます。
負傷の1分間ルールとは
ピッチ上で治療を受けた選手、または負傷によって試合が止まった選手は、プレー再開後1分間はピッチに戻ることができません。
2つのルールの違い
| 交代の10秒ルール | 負傷の1分間ルール | |
|---|---|---|
| 対象 | 交代手続きが遅延した場合 | ピッチ上で治療を受けた、または負傷で試合が止まった選手 |
| 待機場所 | タッチライン外(交代選手) | ピッチ外 |
| 待機時間 | リスタート後1分間(ランニングクロック) | リスタート後1分間(ランニングクロック) |
| 例外 | 現時点では明文化された例外なし | あり(下記参照) |
負傷の1分間ルールの例外
負傷の1分間ルールには、以下の場合は例外として待機不要とされています。
- 相手競技者に警告または退場が命じられるようなファウルによって負傷した場合
- PKのキッカーが負傷した場合
- GKが負傷した場合
一方、交代の10秒ルールには現時点で明文化された例外はありません。
まとめ
交代の10秒ルールをまとめます。
- 交代ボード提示(または主審の合図)から10秒以内に退く選手はピッチを出なければならない
- 超過した場合、入る選手はリスタート後1分間(ランニングクロック)経過後、最初のアウトオブプレーまで入場不可
- その間チームは一時的に10人でプレーを続けることになる
- 同じ「1分間ランニングクロック」のルールが負傷による離脱にも適用されるが、例外規定は負傷のルールにのみ存在する
▼ 関連記事(サッカー競技規則2026/27改正シリーズ)