
今回は、2025年4月11日、日本ハムvs西武で起こっためずらしい事象を取り上げます。
バントした打球にバットが再び当たったら判定は?
公認野球規則の規定に基づいて解説します。
どんなシーン?
2025年4月11日の日本ハムvs西武で、2回表一死一塁で、西武の外崎修汰選手が1ボールからの2球目をバント。しかし、一塁へ走り始めるときに投げ捨てたバットに打球が当たってしまい、判定はファウルボールとなりました。
珍バントファール👀#外崎修汰 選手 #seibulions #パテレ名誉アンバサダー
— パ・リーグ.com / パーソル パ・リーグTV【公式】 (@PacificleagueTV) 2025年4月11日
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このプレイで適用されるルールは?
このプレイで適用されるルールは、公認野球規則 5.09(a)(8)です。
公認野球規則5.09(a)(8)
打者が打つか、バントしたフェアの打球に、フェア地域内でバットが再び当たった場合(打者はアウトになる)。
ボールデッドとなって、走者の進塁は認められない。(中略)
打者がバッターボックス内にいて、打球の進路を妨害しようとする意図がなかったと審判員が判断すれば、打者の所持するバットに再び当たった打球はファウルボールとなる。
今回の場合、球審は後段を適用し、打席内でたまたま二度打ちになったと判断してファウルボールとしました。
しかし、これは「打者がバッターボックス内にいること」が条件です。外崎選手はバッターボックス内に残っていたでしょうか。

これを見る限り、足が確実にバッターボックスの外に出ています。
厳密にいうとこのプレイ、正しい判定は「打者アウトでボールデッド、一塁走者は進塁できない」となります。
なぜこの判定になったのか?
実はこれは、ものすごく判断が難しいプレイです。
私はこのプレイをスロー映像を繰り返し見られるので「正しい判定はこうだ」と言えますが、球審はスロー映像など見ることはできず、一発勝負で現場で判定しなければなりません。
しかも、「二度打ち」の瞬間は捕手と打者に遮られてしまい、恐らく見えていません。
…とはいえ、二度打ちの瞬間が見えていないことは球審が悪いのではなく、このシステムで審判をやる以上、どうにもならないことです。直前まで球審は投球判定をするため捕手の後方にいて、打者は打ったら一塁に向かって走るので、右打者が捕手の前に飛び出すのも当然。捕手も打球処理のために動こうと立ち上がるのも当たり前のことです。
塁審側からは確かに打者の様子が見えるかもしれませんが、ほんの一瞬のことなので確実に打者がバッターボックスから出たときにバットに再びボールが当たったかどうかを確認するのはかなり難しいです。
再度掲載しますが、これがバットに当たった瞬間の写真です。このとき、外崎選手の右足が、わずかでもバッターボックスを示すラインにかかっていたら、「バッターボックス内に残っている」という判断になります。

言い方を変えると、この状況で打者にアウトを宣告できるには、審判員がバットに打球が2度当たったことをはっきりと見て、しかも「打者がバッターボックスの外で打球の進路を変えた」と確信をもって言える状態になければできません。
そんなわけで、このプレイが「ファウル」と判定されることは、無理もないと言えます。
まとめ
- 打者が打つか、バントしたフェアの打球に、フェア地域内でバットが再び当たった場合、打者はアウトになるので、本来このプレイは「打者アウトでボールデッド、一塁走者は進塁できない」とするのが正しかった。
- しかし、球審は「二度打ち」の瞬間、恐らく捕手と打者に視界を遮られ、見えていないと考えられる。
- とはいえ、見えていないことは球審が悪いわけではなく、この状況においては致し方ない。
- このようなとき、通例はファウルであることが多いので、審判員がこのプレイを「ファウル」と判定することは無理もない。